2024/06/01 22:15


甘夏と夏みかんが横に並んでいても一般的には、「同じフルーツなのかな」「何が違うの」という印象でしょう。
確かに見た目には大きな差はありませんが、甘夏と夏みかんは別物のフルーツです。
それぞれの特徴や違いを知ることで、自分好みのフルーツを選べます。
今回は、甘夏と夏みかんの特徴や違いについてご紹介します。

甘夏の特徴

正式名称は「川野夏橙(カワノナツダイ)」ですが、「甘夏」と呼ばれています。
元々は夏みかんとして栽培されていた木から見つかった品種です。
甘夏の味・食感・旬の時期などを解説します。

味・食感
甘夏は酸っぱくて酸味の強い印象はなく、甘くみのある柑橘類になります。
やや苦みを感じる部分もありますが、それよりも甘みが強いので食べやすいです。
みずみずしく新鮮な内にそのまま食べた方が、甘夏をより美味しく味わえます。
果肉の粒は大きめで、ブチブチと大胆な食感を味わえるところも甘夏の特徴です。
但し、果皮が硬くて厚めなので、簡単に手で剥きにくさがあります。
包丁で食べやすく切ってからの方が、美味しく食べられるでしょう。

旬の時期
甘夏が旬を迎える時期は、冬から初夏にかけて2月~6月頃がメインです。
ちょうど温かくなってきたタイミングで、スッキリとした甘さの甘夏を1番美味しく食べられます。
より甘みが強いものが好みであれば、初夏の頃の時期だと酸味が落ち着いてより甘くて美味しい甘夏になっています。
購入してから日を置きたい場合には、涼しくて風通しの良い場所に保管しておきましょう。

主な生産地
甘夏の主な生産地は、鹿児島県、熊本県、愛媛県、和歌山県と続いています。
鹿児島県と熊本県で半分以上のシェアを占めています。

夏みかんの特徴

夏みかんとして認知度が高いですが、正式名称は「夏橙、夏代々(ナツダイダイ)」になります。
文旦の血統を継いだ柑橘類で、味わいや食感にも特徴があります。

味・食感
夏みかんは、みずみずしい果肉が詰っていますが、酸味が強い味わいが大きな特徴です。
酸味が強いのでジュースやジャムに使われるケースが多く、酸味を抜きたい場合は少し日を置いておくと良いでしょう。
冷蔵庫で保管する場合は、そのままだと乾燥しやすいため、ビニール袋やラップに包んで野菜室への保存がおすすめです。
文旦の血統だけあって、粒感がブチブチとしっかりとしています。
甘夏同様で果皮は硬く、厚みもあって手で剥くことは大変です。

旬の時期
夏みかんの旬は4月から7月頃となり、名前の通り夏の印象が強いです。
みかんというと冬のイメージですが、夏でも味わえるみかんとされています。

主な生産地
夏みかんは山口県が発祥の地ではありますが、実際の生産地は熊本県、鹿児島県、愛媛県が有名です。
今でも山口県の生産は残っており、地域の特産品とされています。

甘夏と夏みかんを簡単に見極める違い

甘夏と夏みかんは、柑橘類に属するまったく別物のフルーツです。
見た目では、両方とも黄色くゴツゴツとした果皮で大きな差が見つけづらく、パッと見では差が分かりません。
大きな差となるのは「味」と「旬の時期」の2つです。
甘夏と夏みかんを見極めるポイントを解説します。


味の違い
甘夏と夏みかんは、味にも大きな違いがあります。
甘みが高くそのまま食べやすい甘夏に対して、夏みかんは酸味が強くそのまま食べるよりもジュースやジャム、ケーキに使われるケースが多いです。
夏みかんも元々は甘夏と同じ木からなっているのですが、甘さや酸味には大きな違いがあります。
甘夏は、酸味が少なく独特な苦みと糖度の高い甘さが特徴的です。
夏みかんは、酸味が強いですが暑い夏にピッタリのスッキリさが味わえます。

旬の時期の違い
甘夏は夏みかんよりも少し早く旬が訪れます。
甘夏は冬から初夏にかけて旬のタイミングとなり、夏みかんと少しタイミングがずれるので、わかりやすい違いのポイントです。
初夏あたりが旬の時期が被ってくるので、見極めに気を付けましょう。

まとめ

甘夏と夏みかんは、見た目も同じような感じだし味もほとんど同じなのかなと思っていた方も多いでしょう。
甘さを感じる柑橘類としてそのまま食べた方には甘夏がおすすめになります。
酸味が強くジュースやケーキなどに使いたい方には、夏みかんがピッタリです。
好みや食べ方に合わせて、それぞれに合うものを選ぶと良いでしょう。